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「貧困の連鎖を絶つために地域でできること」第3回子ども見守りサポーター養成講座こがねはら子ども食堂

子ども見守りサポーター養成講座第3回
「子ども食堂でできること~居場所を維持する仕組み~」
講師 こがねはら子ども食堂代表 高橋亮さん

目次

1.子ども食堂を始めようとしたきっかけ
2.子どもの貧困率
3.提供したい3つの栄養
4.子ども食堂の役割
5.大事にしていること
6.継続していくために

1.子ども食堂を始めようとしたきっかけ

「こどもだけでご飯を食べている子どもがいる」「家に帰りづらく、公園で勉強している子どももいるようだ」「勉強したくても家庭の事業で塾に行けない子どももいる」

・・・という話を聞き、子ども達の現状にショックを受けた高橋さん。そこで温かい食事ができる場、勉強できる場、安心できる居場所を作りたいと、学習塾経営の経験者や教員を中心に平成28年4月より子ども食堂をスタート。
場所は居酒屋。毎週土曜日10時~15時 学習支援を行いながら、お昼に子ども食堂として食事を提供。毎回のべ80人ほどが参加ています。


2.子どもの貧困率

子どもの貧困=親の貧困
子どもの貧困率は16.3% クラスに6~7人が貧困に直面していることになる、というデーターもあります。
さらにはひとり親家庭の子どもの貧困率にいたっては54.6%にいたります。(平成25年度厚生労働省の調査結果より)

今日、明日食べる事に困っている子はいないけれど、相対的貧困が課題です。携帯電話を持っていても、修学旅行の費用が払えない子、修学旅行の小遣いが用意できない子、進学したいが塾に行けず進学できない子がいることを知りました。子ども達はあきらめることが続くと、あきらめることが癖になります。「ムリ」が口癖になるのです。

3.提供したい3つの栄養

高橋さんは子ども食堂で提供したい3つの栄養があるといいます。
①からだの栄養 栄養バランス・彩り・季節感に富んだメニュー
②あたまの栄養 基礎的学力・高校進学指導
③こころの栄養 多様な大人・多様化価値観・多様な経験

からだの栄養のために「子ども食堂」、あたまの栄養のために「学習支援」、こころの栄養のために「多様なおとなの存在と経験」が必要なのです。

4.子ども食堂の役割

①社会的相続の補完
学習支援を行うことや、様々な大人の関わりの中で子ども達の経験を増やすこと、子ども食堂は貧困そのものは解決することができないけど、貧困が抱える問題へはアプローチすることができます。
「社会的相続」とは、「自立するチカラ」の伝達行為。家庭内で親から子どもに伝えらてきたことが、今伝わっていない現状があります。貧困を背景とした親から子への「負の社会的相続」が、将来子どものの自立する力を奪う可能性があるのです。
子ども食堂は家庭でできない「社会的相続」を補完する役割が果たせます。

②学力と共に、非認知能力も養う。

自立していくには、お金、学力の他、非認知能力が大事だと言われています。非認知能力とは「意欲」「自制力」「やり抜く」「社会性」のことです。
自立するチカラを育てるには
・身近にロールモデルとなる大人がいること。
・くじけそうになった時に支えてくれる大人がいること。
・何かあった時に見守ってくれる大人がいること。
・自分を大切に見守る人がいることで、母親との間にはできなかった「愛着形成(特定の人に特別な愛着をもつこと)」ができること。
が大切になります。



子ども食堂が上記2つの役割を果たすために必要なキーワードとしては...

①多様性を大切に、世代を超えた人との様々な関りや多様な経験
②足元を大事に、身の丈にあっている。自分たちの実力に見合ったこと。
③せまく、深く 必要とされる場になること

5.大事にしていること

支援を必要とする子が食堂に来てくれない・・・という声をきく
来ていない子どものことを心配するより、今来ている子どもたちの子ども達に目を向けることが大事ではないだろうか。必要としているから来ているのであって、「来てほしい人さがし」をする必要はないと考えています。

出来ることは、場を開いて続けていくこと。そしてその場を来た人が安心して過ごせる場所にすること
そして
・価値観を押し付けない
・しつけをしない
・方向付けをしない
・人数でなく、関わりの深さを大切にする
・いるだけでも支援になる

横にいていていてくれるだけで、子どもたちは安心して勉強することができるのです。子どもが問題を解けたら一緒に喜ぶこと、喜びを共感することが大切で、その積み重ねで、続けられる力がついていきます。

子ども達の気配とつぶやきにいかに気づけるか?
常に来ている目の前の子に向き合うことを大切に

6.継続していくために

①子ども食堂保険
運営者にとっても利用者にとっても、そして子ども食堂を紹介したいと思っている人にとっても安心できる仕組み


②厚労省の通知
平成30年6月28日、厚生労働省は、子ども食堂に関する通知「子ども食堂の活動に関する連携・協力の推進及び子ども食堂の運営上留意すべき事項の周知について(通知)」を発出しました。
 この通知のなかで、子ども食堂は、「子どもの食育や居場所づくりにとどまらず、それを契機として、高齢者や障害者を含む地域住民の交流拠点に発展する可能性があり、地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待される」ことが示されています。また本通知は、子ども食堂における衛生管理のポイント等も含まれた内容となっています。

③地域でネットワークを生かし、その問題を解決する仕組みを作る。

④スタッフ間で子どもの様子やこれからのことを良く話す。

 

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