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夏休み小学生ボランティア体験「視覚障害者総合支援センターちば(点字図書館）」

　8月22日、今日の夏休みボランティア体験は、視覚障害者総合支援センターちばでの点字体験と点字図書館の見学です。10人の小学生と保護者の皆さんが参加しました。

　四街道市は、大日に千葉県で唯一の県立盲学校が設置されています。また駅前にある視覚障害者総合支援センターちばには、就労支援施設「ワークショップ四街道」などがあり、視覚障害者に対して「視覚障害とともに生きる」ことを支援する場です。「本を読みたい」「相談したい」「働く訓練をしたい」「出かけたい」「自立したい」「交流したい」などの情報提供やサービスを提供しています。

　今回の体験は、午前中に視覚障害についてのお話と点字体験が行われました。指導してくださったのは、センターの職員であり自身も障害者の石川さんです。今年30歳、一人暮らしをされています。

　石川さんは、生まれた時から目が見えなかったそうです。最初に小学生に尋ねました。「みんなはもし目が不自由だったら、どう？怖い？なにもできないと思う？」返事に困った子どもたちに石川さんは続けます。「たしかに困ったことです。でも、見えないからと嘆き、そのままにしておくわけにはいかないよね。生きていくには、自分で工夫するしかないのです」。人間には、視覚のほかに、聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感があり、生活するのにほかの感覚で補えば生活ができるということを自らの体験で具体的に語ってくれました。

　たとえば、時刻を知るために石川さんが使っているのはふたが開く腕時計。長身・短針を触ればわかるそうです。タブレッドは、視覚に障害のある人のために音声やタップ法でサポートしてくれる機能を使い、実に見事に使いこなしています。コンパクトに収納できる白杖（はくじゅう）は、その先を地面をスライドさせることで低い障害物なら簡単に乗り越えることができます。それらをにこやかに実演してみせてくれる石川さんに参加者はみんなびっくりです。だから石川さんの趣味は、旅行やゲームと聞いて納得しました。

　休み時間には、好きなゲームやアニメの話をしようと子ども達が石川さんのもとに駆け寄り、盛り上がる場面もありました。

「目が見えないことは特別なことではありません。視覚障害以外にも、いろいろな障害のある人は、みんな普通の生活を送りたいと思っています」。石川さんのお話は、ボランティアの意味にも及びました。障害があっても、自分でできることは自分でやりたいと思っているので、困っている人をみかけたら、まずは「なにかお手伝いしましょうか？」と声掛けをしてほしい、と。「障害のある人も安心して外出できる、気持ちよく生活できる世界になるような心配りをすることが真のボランティアだと思います。点字のことだけでなく、そんなことも今日の体験で身につけてほしいし、機会があったらお友達に話してほしいと思います」。明るく前向きに人生を過ごしている石川さんの言葉に、参加者全員が深く感銘を受けました。

　休憩の後は点字体験です。最初に点字を打つ点字器と点ピツ、一覧表が配られます。点字のルールを教えてもらい、一緒に打ってみます。子どもたちのルールの理解は早く、あっという間に自分の名前や小学校の名前を点字で表現し、確認のために実際に読み取る石川さんもびっくりでした。

　昼食の後は点字の勉強をさらに深めます。

　センターのボランティアさんが入力した原稿が、点字になって出力されるされるプリンターも触ってみました。

　そのあとはセンター内にある点字図書館を見学します。この点字図書館は前身の千葉市亥鼻で「千葉県点字図書館」として開館以来60年以上の歴史があります。棚の中には点字図書・録音図書がびっしりと並んでいます。書棚は電動で、ボタン一つで操作できます。おなじみの絵本も「点字付きさわる絵本」として蔵書されており、子ども達も関心をもって見入っていました。

　昼食をはさんだ盛りだくさんの今日の体験もこれで終了です。

　今回の体験で、参加者は点字体験もできましたが、何よりも石川さんのお話を通じて「障害とともに生きる」姿に多くのことを教わったにちがいありません。石川さんをはじめ視覚障害者総合支援センターちばの皆さん、ありがとうございました。

2018年8月22日｜ 3-4　夏休み小学生ボランティア｜コメント(0) ｜トラックバック(0)

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